ミラージュ騎士団(ミラージュナイツ)は、永野護の漫画『ファイブスター物語』に登場する架空の騎士団である。正式名称は東方第一等幻像軍団(英字表記 First Easter Mirage Corps。F.E.M.C.と略される)。
概要[]
A.K.D.の元首アマテラスの私費で雇っている私設騎士団である[1]。しかしメンバーの多くはA.K.D.及び構成国の要職[2]も兼任しており、事実上A.K.D.の筆頭騎士団と見做されている(A.K.D.の正式な国家騎士団はゴーズ騎士団)。A.K.D.構成国の王族・貴族出身者や、パートナーがバランシェ・ファティマであることが多いのも特徴。ミラージュ騎士に雇われた者が正式な入団前に一時的にゴーズ騎士団に籍を置く場合もある。
「血の十字架」を騎士団マークとしており、装備には白地に朱色のマークやストライプの入った意匠が多用されている。また団員の用いるスパッド(光剣)の光刃の色も朱色である。ミラージュ騎士団以外に朱色を識別色として用いる組織はA.K.D.国内のみならず星団中にも存在しない。騎士団としての正装は「血の十字架」を前面に染め出し朱色のラインが入っている白地のローブで、同色のフードをかぶりウーバレイヨウという恐竜の頭骸骨をマスクとして着ける。
レッド・ミラージュを始めとする星団最高の装備や権限を与えられ、全ての行為が認められている。その代償としてアマテラスへの忠誠は絶対であり、退団は死をもって償うこととなる。表立った活動はあまり行われていないが、その実力は星団最強とも言われ、メンバー一人ひとりが他の騎士団では指南役に相当するという。逆に公に記録が残る活動を行っていないことから、見掛け倒しと評する者もいる。
設立当初は単一の組織で、その時期を第1期と呼んでいる。第1期はNo.7まで。その後に2隊に分けるようになり、その時期を第2期と呼ぶ。A.K.Dの政治・外交を担い、紛争鎮圧や国際警察的な役割を果たしていた表向きのメンバー=右翼大隊「オレンジ・ライト」と、暗殺・非合法活動専門の非公式の裏のメンバー=左翼大隊「グリーン・レフト」である。第2期は左右No.23まで増員されている。
オレンジ・ライトはアマテラスへの忠誠により統率されているが、グリーン・レフトはアマテラスからの恐怖で服従させられているとされ[3]、通常はフロートテンプル内の「デモンズ・タワー」に監禁同然で待機している。しかし第2次フロート・テンプル動乱以後、新たに入団する騎士の中でレフト司令官サリオンと同年代の者はサリオンのお付を兼ねて優先的にレフトに入れられるようになった事情もあり、デモンズ・タワーからの外出が自由になるなどはレフトの扱いは緩くなっている[4]。また、欠員が生じると空いた番号に新たに入団したメンバーを充てていたが、途中からは空席が生じてもその番号に新たなメンバーを充てなくなっている。
星団大侵攻以降はミラージュそのものが恐怖の代名詞と化したためライトとレフトの区別は無くなり、それ以後のNo.24以降は再び一本化されている。星団統一後はアマテラス自身が隠居同然となり、ミラージュ騎士団と共に表舞台には姿を現さなくなる。そしてアマテラスの影武者としてNo.25のユーパンドラ・ライムがアマテラスを名乗るようになる。A.K.D.の滅亡の真の星団統一後、ミラージュ騎士団はアマテラスと共に星団を去る。騎士の血が薄まって弱体化していた4000年代においても(そのためゴーズ騎士は機械化や薬物による強化改造を行っている)、ミラージュ騎士のみは最盛期の力を維持しており、大きな謎のひとつとなっている。
ミラージュ騎士には原則的に引退は無く、死亡をもって脱退となる(唯一の例外はコーラス王朝のバランカ家に嫁いだシャーリィ・ランダース)。しかし高齢などで騎士能力が衰えた者などはミラージュナンバーを返上し、ノー・ナンバーと呼ばれ、主として政治などの業務を行う。ただしNo.1のみは別格であり、離団後カステポーのナイトギルド総評議長やハスハのAP騎士団総団長の地位に就いたダグラス・カイエンやイオタ宇宙騎士団長と兼任し、後にアティア・ハッシュ王国の王となったジャコー・クォン・ハッシュのような例もある[5]。またランドは12巻で元ミラージュ騎士と自称し、魔道大戦でAP騎士団に所属していることから、退団に関する決まり事も怪しい。
メンバー一覧[]
No.AとNo.1は特別なナンバーでメンバーは固定されておらず、時期により変わる。No. 2から23まではライトメンバー、レフトメンバーが存在する。No.24からはライトとレフトの区別がなくなっている。その為、その時点で空席となっていたレフトのNo.23は欠番となった。なお、当初は引退メンバーのナンバーを新しいメンバーが引き継いでいたが、途中から欠番にするようになった。
A | ||
1 | ||
No. | 第1期 | |
---|---|---|
2 | ダグエラン・ルス | |
3 | メルカ・ルーモアズ | |
4 | ファルク・ユーゲントリッヒ・ログナー | |
5 | グラント・ライム | |
6 | クロークル・ハーマン | |
7 | ガルシア | |
第2期 | ||
No. | オレンジ・ライト | グリーン・レフト |
2 | アイシャ・ルーマー女王 | バーグル・デ・ライツァー "シャフト" |
3 | ランドアンド・スパコーン公爵 | ティン・バイア王子(クー・ファン・シー・マ) |
4 | ファルク・ユーゲントリッヒ・ログナー バビロン王 | 斑鳩王子 |
5 | (欠番 名義上はグラント・ライム公爵) | ヒューズレス・カーリー "スピナー" |
6 | クロークル・ハーマン | |
7 | リイ・エックス・アトワイト公爵 | エイドリアン・ターク "パイソン" |
8 | スペクター | ミューリー・キンキー王女 |
9 | ディッパ・ドロップス | ベスター・"クローズ"・オービット公爵 |
10 | ハインド・キル | ピッキング・ハリス "スパーク"=マドラ・モイライ |
11 | レオパルト・クリサリス公爵 | メイザー・ブローズ |
12 | ウラッツェン・ジィ | バイズビズ(ヴィンス・ヴィズ) |
13 | ポエシェ・ノーミン | バーナー・ダウド |
14 | シャーリィ・ランダース・クレイテンシュバンツ | プリンセス・タイトネイプ(峡楼姫〔きょうろうき〕) |
15 | ビョトン・コーララ | パナール・リィ・エックス・アトワイト王女 |
16 | ステートバルロ・カイダ | シトロン・フリーズ・メナー王女 |
17 | ヌー・ソード・グラファイト | エイブ・ロウ |
18 | イマラ・ロウト・ジャジャス王女 | エルディアイ・ツバンツヒ "スペック"=ストーイ・ワーナー |
19 | ミシャル・ハ・ルン | ライキッド・オーシャン |
20 | ヨーン・バインツェル | パゴナ・ヘルバート |
21 | アーレン・ブラフォード | ワスペン・クラック |
22 | マキシマム・ハルトフォラス | ベルベット・ワイズメル |
23 | キュキィ(キュキィ・残田・理津子) | (欠番) |
No. | 第3期 | |
24 | ターストワイス・フォレット | |
25 | ユーパンドラ・ライム公爵 | |
26 | メロウ・クリサリス公爵 | |
27 | ヨッヘンマ・ピストーチ | |
28 | サトバイ・シュレスコルハール | |
29 | ベルトバード・ゴドラ | |
30 | ルート・コーダンテ・アマテラス親王 | |
31 | ウピゾナ・バーデンバーグ | |
32 | カーレル・クリサリス公爵 | |
33 | アラート・リイ・エックス・アトワイト | |
34 | ヴィクトリー | |
35 | レディ・スペクター | |
36 | ザ・タワー |
エースナンバー[]
- A
-
- アマテラスがAナンバーを着装していた設定画が存在する。
- 1
- 星団暦3031年現在は2代目ダグラス・カイエン戦死の為空席
- 初代 デイモス・ハイアラキ(デイモス・ルース)
- 2代目 ダグラス・カイエン
- 3代目 ジャコー・クォン・ハッシュ
- 4代目 マドラ・モイライ(剣聖ミス・マドラ、アルゴン・プロミネンス)
- 5代目 マキシマム・ハルトフォラス(剣聖マキシ、蒔子、マキシ・アイツ・フェイツ・バランス12)
第1期[]
物語開始時には既に第2期に移っていた。第2期で左右に分けられたが、第1期の席は基本的にオレンジ・ライトに移行している。第1期のメンバーはアマテラスよりも年上の者が多く、死亡あるいは老化などによりナンバーを返上したノー・ナンバーに退いている。
「F.S.S.DESIGNS 1」によれば、第2期のNo. 2, 3, 7は2代目であるとのこと[6]。
- 2,22R ダグエラン・ルス
- 3,23R メルカ・ルーモアズ
- 5,5R グラント・ライム
- 7,ガルシア
- (3) ディス・ビュビュス・サイサ・コーダンテ天照
- (7) パルトーク・クリサリス
第2期 オレンジ・ライト[]
- 2R アイシャ・コーダンテ(メル・アイシャ・サイサ・コーダンテ・アマテラス、メル・アイシャ・ルーマー、愛謝・紅壇鼎)
- 3R ランドアンド・スパコーン
- 4R ファルク・ユーゲントリッヒ・ログナー
- 5R 物語開始時点で欠番。
- 6R クロークル・ハーマン
- 7R リイ・エックス・アトワイト(メル・リイ・エックス・ヘンシェル・アトワイト)
- 8R スペクター(ジョーカー)
- 9R ディッパ・ドロップス
- 10R ハインド・キル
- 11R レオパルト・クリサリス
- 12R ウラッツェン・ジィ
- 13R ポエシェ・ノーミン
- 14R シャーリィ・ランダース・クレイテンシュバンツ(シャーリィ・バランカ)
- 15R ビョトン・コーララ
- 16R ステートバルロ・カイダ
- 17R ヌー・ソード・グラファイト
- 18R イマラ・ロウト・ジャジャス
- 19R ミシャル・ハ・ルン
- 20R ヨーン・バインツェル
- 21R アーレン・ブラフォード
- 22R マキシマム・ハルトフォラス
- 23R キュキィ(キュキィ・残田・理津子)
第2期 グリーン・レフト[]
- 2L バーグル・デ・ライツァー "シャフト"
- 3L ティン・バイア(天覇)
- 4L 斑鳩王子(ディス・エミーテ・斑鳩、天照・ディス・グリース・大兄・斑鳩 "L.E.D."、天照・グリース・サリオン・イイ)
- 5L ヒューズレス・カーリー "スピナー"
- 6L クロークル・ハーマン
- 7L エイドリアン・ターク "パイソン"
- 8L ミューリー・キンキー
- 9L ベスター・"クローズ"・オービット
- 10L ピッキング・ハリス "スパーク"
- 11L メイザー・ブローズ
- 12L バイズビズ
- 13L バーナー・ダウド
- 14L 峡楼姫(きょうろうき、プリンセス・オリビー・タイトネイブ)
- 15L パナール・リィ・エックス・アトワイト
- 16L シトロン・"フリーズ"・メナー
- 17L エイヴ・ロウ
- 18L エルディアイ・ツバンツィヒ "スペック"/ストーイ・"エルディ"・ワーナー
- 19L ライキッド・オーシャン
- 20L パゴナ・ヘルバート
- 21L ワスペン・ナンダ・クラック
- 22L ベルベット・ワイズメル
- 23L 欠番。
第3期[]
ライト・レフトの区別はない。
- 24 ターストワイス・フォレット
- 25 ユーパンドラ・ライム
- 26 メロウ・クリサリス
- 27 ヨッヘンマ・ピストーチ
- 28 サトバイ・シュレスコルハール
- 29 ベルトバード・ゴドラ
- 30 ルート・コーダンテ
- 31 ウピゾナ・バーデンバーグ
- 32 カーレル・クリサリス
- 33 アラート・エックス(アラート・エックス・ヘンシェル・アトワイト)
- 34 ヴィクトリー
- 35 レディ・スペクター
- 36 ザ・タワー
その他[]
- メル・サッチャー・スクリーク
- ビット・マエッセン
脚注[]
- ↑ 第5話エピソード2でアイシャが「(ミラージュ騎士団の運営資金は)元々陛下のお金よ。(A.K.D.の)税金じゃない」とぼやく場面がある。
- ↑ ログナー(バビロン王)やアイシャ(ルーマー女王)、オービット(オービット公)、リィ・パナール親子(アトワイト大公)、マキシ(フェイツ大公)に至っては、A.K.D.の中核となる天照王朝(東方10ヶ国、のちフェイツの加入で11カ国)の国家元首である。
- ↑ レフトが反逆すればアマテラスの神技「次元回廊」により生きながら異界に送られるとされ、それは死以上の恐怖であると言われている。
- ↑ ブラック3のフロートテンプル奇襲(第5話エピソード10)時はサリオンの指揮下でグリーン・レフトが迎撃の中心となった。
- ↑ 正式に退団が認められて他国の騎士団長や国王となったのかどうかは不明。
- ↑ 従ってF.U.ログナーとクロークル・ハーマン(ハインド・キル)は第1期以来のメンバーということになる。